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9月, 2022の投稿を表示しています

Multifunktionsweste Einsatz 【ドイツ連邦軍】

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Multifunktionsweste Einsatzと呼ばれるベストとチェストリグのセット品です。 所謂民生ナイロンではなく調達仕様書に基づいて製造されている官給品です。 手元の調達仕様書によると2008年ごろに出現したアイテムのようです。 さらに仕様書を読んでいくと5FTDのほか3FTDやWTD、雪上用の白色などのバリエーションを確認することができます(実在は疑わしいものの)。 そのうえでそれぞれ右利き用と左利き用が存在することになっています。 製造元は官給品サプライヤーとしてよく知られているSchleswiger Tauwerkfabrikでした。 ベストは"Hauptteil"と呼ばれています。 メッシュベースにポーチを縫い付けた正統的な構造です。 KSKベストやIdZベストのように3つのパーツから構成されています。 左身頃パーツにはダブルマガジンポーチが2つとユーティリティが配されています。 内側マガジンポーチにはグレネードポーチが付属します。 MGポーチ付きの左身頃もセットされてきます。 左身頃にはおなじみの隠しホルスターが仕込まれています。 右身頃パーツも対象形状ですがスリングアダプターが付きます。 左利き用だとMGポーチ版がセットされます。 右身頃のサイドジップポケットにはエラスティックのみ。 背面パーツはハイドレーションなどの収納のために袋状になっています。 追加のポーチ類はベルクロとドットボタンの合わせ技で取り付ける方式です。 上段左が無線機ポーチ(小)、右が2段タイプのショットシェルポーチ 下段左はユーティリティ、中央はグレーネードポーチ、左は40mmポーチ 無線機ポーチ(大)もあるのですが今回は含まれず。 ショットシェルポーチには12本組のエラスティックが2段で備わっています。 40mmポーチはユーティリティとしても活かせそう。 ポーチを取り付けた使用例はあまり見かけませんが、付けてみるとこんな感じ。 チェストリグは"Hüftteil"と呼ばれます。 後の民生タクティカルナイロンに通じる構造ですが、これにも元になったチェストリグがあるのかもしれません。 個々のポーチの構成はベストと同じです。 左右非対称形で左身頃には特徴的な40mmポーチが上下2段配置されています。 ユーティリティとしての活用を意識して

75 Tactical T6 Boardingweste 【ドイツ連邦軍】

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75 Tacticalが納入した臨検隊向けのベストです。 海軍の臨検中隊(Boardingkompanie、現在のBordeinsatzkompanie)で2000年代半ばから2010年代半ばまで用いられていました。 非対称的なデザインで左身頃と両肩部のみメッシュベースとなっています。 前合わせはジッパーですが緊急時にはベルクロで剝がすことができるようになっています。 ベストの下に着装するライフプリサーバの作動を妨げないよう勝手に剝がれるようになっているのかもしれません。 背中からは丈が長い印象を受けます。 袋状になっておりハイドレーションなどを収納することが可能です。 左身頃のサイドジップポケットにはエラスティックのホルダーが仕込まれています。 右身頃にもサイドジップポケットがあります。内張はメッシュです。 左身頃には何かしらの機器の配線のためかスリットが設けられています。 両裾部にはストラップ(ウェポンキャッチ)を通すためのループもあります。 これも臨検隊らしい要素ですね。 各パーツはベルクロバンドでつながっておりサイズ調整が可能です。 肩部もベルクロなのでサイズ調整が可能です。 背面の両サイドには無線機の配線を取りまわすためのガイドが設けられています。 付属してきたポーチをそれらしくレイアウトします。 前面は必要最低限のポーチをぽつぽつと置く感じでまとめます。 よく分かりませんが多目的用途のようなポーチ。 止血帯が収められていたりするので肩に配置しました。 臨検だと拳銃の出番も比較的多いでしょうし、抜きやすそうな位置にピストルマグポを配置します。 臨検隊では特殊部隊と同じP8 Combatを使っています。 反面G36マグポはあまりメインじゃなさそうな位置に配します。 MP5マグもおそらくこのポーチに収納するのでしょう。 背面用の大型ポーチはブリーチングツールや医療品の収納用として使われているのかもしれません。 構造的にダンプポーチらしいのですが妙に小さいうえに横向きです この位置でよく見かけるのもなかなか不可解なところ。 ラジオポーチも背面にあることが多いです。臨検隊御用達の無線はモトローラGP338のようです。 長細いポーチはマグライトやハンディ金探の収納用みたいです。 各ポーチのパルステープ裏にはベルクロ雄面が縫われています。 デューティベルトに取り付け

Tasmanian Tiger Munitionsweste (new) 【ドイツ連邦軍】

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Tasmanian Tigerのアムニッションベストです。 S95アダプタ方式からMOLLE方式に発展した比較的新しいもの。 S95アダプタ方式から基本的な設計は変えていませんが拡張性は向上しました。 マグポと最低限のユーティリティ以外はMOLLEポーチで補えばよいという考え方です。 左身頃にはダブルのマグポーチが3つ備わっています。 MOLLE化とともにマガジンポーチもドロップダウン化してます。 KSKベスト由来のギミックですが一定の評価を得ていたのでしょうか。 左身頃のジッパー内側には伝統芸能としてホルスターが仕込まれています。 右身頃にはマグポーチ1個とユーティリティポーチが設置されています。 ユーティリティの背中側にはフレアポーチのような長細いポーチが追加されました。 パルステープはレンガ積みタイプ。せっかくの5FTD生地がすべて埋まってしまっています。 縦に通されているストラップはポーチを横に挿すためのものでしょう。 腰の拡張パネルはベルクロで着脱する方式に変わっています。 旧来のベストみたいに畳んでおいても仕方がないとこですしね。 5FTD生地の面積が半分ほど死んでますが柄物の存在感はしっかりあります。 Mk2チェストリグにも5FTDがあったのですがあっちは9割見えなくなります。 アモベストはデカいと聞かされていたんですが意外とコンパクトに感じました。 フリーサイズだと思っていたところ実はサイズ展開があるようで、これはSサイズでした。 仕様違いでもう一つ。 大体同じ年代のものかと思いますがパルステープが異なります。 テープ以外の仕様は変わりません。 こちらはLサイズなのですが前出Sサイズとの違いが感じられません。 フロントのファステックスが官給タイプに置き換え&テープが延長されており、煩雑な調整をせずともアーマーの有無に対応できるようカスタムされていました。 本来は上下別の仕切りになっているはずの縦ジッパーポケットがひとつながりの空間になっていました。 改造された様子はない(縫い跡がない)ので縫製時のミスなのでしょうか? 前回のベストと比較した様子です。ご覧のようにサイズ感は変わりません。 パルステープは左の太細タイプの方が右のレンガ積みタイプより新しいものであると考えられます。 (太細タイプは2008~2009年ごろに登場したと想定) このベス