Multifunktionsweste Einsatz 【ドイツ連邦軍】
所謂民生ナイロンではなく調達仕様書に基づいて製造されている官給品です。
手元の調達仕様書によると2008年ごろに出現したアイテムのようです。
さらに仕様書を読んでいくと5FTDのほか3FTDやWTD、雪上用の白色などのバリエーションを確認することができます(実在は疑わしいものの)。
そのうえでそれぞれ右利き用と左利き用が存在することになっています。
製造元は官給品サプライヤーとしてよく知られているSchleswiger Tauwerkfabrikでした。
ベストは"Hauptteil"と呼ばれています。
メッシュベースにポーチを縫い付けた正統的な構造です。
KSKベストやIdZベストのように3つのパーツから構成されています。
追加のポーチ類はベルクロとドットボタンの合わせ技で取り付ける方式です。
上段左が無線機ポーチ(小)、右が2段タイプのショットシェルポーチ
下段左はユーティリティ、中央はグレーネードポーチ、左は40mmポーチ
無線機ポーチ(大)もあるのですが今回は含まれず。
ショットシェルポーチには12本組のエラスティックが2段で備わっています。
左右非対称形で左身頃には特徴的な40mmポーチが上下2段配置されています。
左身頃パーツにはダブルマガジンポーチが2つとユーティリティが配されています。
内側マガジンポーチにはグレネードポーチが付属します。
MGポーチ付きの左身頃もセットされてきます。
左身頃にはおなじみの隠しホルスターが仕込まれています。
右身頃パーツも対象形状ですがスリングアダプターが付きます。
左利き用だとMGポーチ版がセットされます。
右身頃のサイドジップポケットにはエラスティックのみ。
背面パーツはハイドレーションなどの収納のために袋状になっています。
追加のポーチ類はベルクロとドットボタンの合わせ技で取り付ける方式です。
上段左が無線機ポーチ(小)、右が2段タイプのショットシェルポーチ
下段左はユーティリティ、中央はグレーネードポーチ、左は40mmポーチ
無線機ポーチ(大)もあるのですが今回は含まれず。
ショットシェルポーチには12本組のエラスティックが2段で備わっています。
40mmポーチはユーティリティとしても活かせそう。
ポーチを取り付けた使用例はあまり見かけませんが、付けてみるとこんな感じ。
チェストリグは"Hüftteil"と呼ばれます。
後の民生タクティカルナイロンに通じる構造ですが、これにも元になったチェストリグがあるのかもしれません。
個々のポーチの構成はベストと同じです。
左右非対称形で左身頃には特徴的な40mmポーチが上下2段配置されています。
ベストとチェストリグはセットで供給されるようですが同じ部隊の仲間と分け合って使っている使用例が目立ちます。
さて冒頭で官給品であると説明しましたが、全体的な立ち位置としてはKSKベストの後継品に相当するのではないかと思います。
ただし実際に見られる仕様例はかなり少なく、まとまった単位で支給された様子はほとんど感じられません。
特定の条件で限定的に支給(または部隊予算で少数購入)されていると考えるのが妥当かもしれません。
とはいえ使用例は特定の部隊に集中しているわけではなく様々な兵科で見かけます。
(空挺部隊がやや多いかもしれません)
特定の訓練や教練課程を修了した兵士にのみ支給されるとかだとかなりアツい展開ですがどうしても謎は残りますね。
Tschüs!!
コメント
コメントを投稿