Taschenlampe【ドイツ連邦軍】

ドイツ連邦軍の古典的なTaschenlampe(ポケットランプ)です。
部隊行動の基本的な原理原則を学ぶ上でも重要な装備品です。

このランプの構造的由来は非常に古くWW2以前まで遡ると言われています。
後に袂を分かったNVA(東独)にもこのタイプが引き継がれました。

BWにおいては全兵士に支給されるものではなく、行軍の際して分隊長やポイントマンなどが携行する部隊割り当て装備品です。



背面のストラップはブルーゼの専用ボタンに取り付けるためのものです。
(モールスキンや初期のフレックターンに見られるようなボタン)

ストラップの上側が外せるようになっているのはベルトなどに通すためと考えられます。

製造年月は判定方法がよく分かりませんが2000年代まで製造と支給がなされたと言われています。
IdZにもこのランプ用のポーチが付属しています。

NSNは6230-12-124-7827で、番号違いで別のタイプも存在します。
背面がクリップ取り付けになっているタイプも同じNSNであったと記憶しています。
(背面がクリップのものは「地雷原標示キット」の付属品)



内部の構造は至ってシンプルな、豆電球と乾電池を直結するものです。
ケーブル類を用いないので断線や接触不良に強く、直すもの簡単というわけです。

乾電池は単一型を2本使用。重いですが持続時間的には有利といえましょう。
大戦期のものやNVAのものは特殊なバッテリーを使うのですが、ここはNATOの規格統一の恩恵を受けてるのかもしれません。



内部に予備の豆電球を保持しておくスペースがあります。
スイッチは銅板の接点を押し当てるこれまた単純な方式です。



スイッチをONにして、豆電球を銅板に押し当てるとこのとおり。



せいぜい2.5Vの豆電球なのでお世辞にも高性能とは言えません。
とはいえ足元を見て行軍する分にはこの程度で十分なのでしょう。
いたずらに高輝度・高照度を求めてもメリットは増大しないということでしょう。

このランプの回路は直列で3Vなのですが、付属していた豆電球は2.5Vでした。
これは乾電池を2個直列しても実際には電圧降下により2.5V程度の電圧しかかからないためなんだそうです。



このランプのカラーフィルターは主に合図を出すために用いられます。
緑のフィルターで掲げて、手を上下に動かせば「行進」の意といった具合です。



こちらは本来は赤いフィルターのはずなんですがなぜか黄色となっています。
(車との誤認など)何らかの理由で赤色から黄色に変更されたのでしょうか。

「地雷原標示キット」には緑と黄色のフィルターで合図を出すランプがセットされるのでこちらと何か関係があるかもしれません。



中央のシャッターは地図を見るときなどに照射範囲を狭めるためのものです。



撮影中うっかり取り落としてしまい点灯しなくなってしまいました。
落下の衝撃で電球が切れてしまったのかと思いとりあえず交換してみることに。

ドライバーでソケットの座をこじって取り外します。この辺は少々手間ですね。
無事交換するも何故か電球は転倒しません。
予備の電球も切れてたかと疑いつつ銅板をアレコレいじり回した結果点くようになりました。
壊れても修理が容易、というメリットを体感した瞬間でした。


光源が豆電球という時代遅れも甚だしい装備であり、もう流石に実用されていないのではないかと思っていたのですが基礎訓練など一部では現役である様子。
とはいえブルーゼからボタンが取り払われた頃にはもうあまり使われなくなっていたのではないかとも考えられます。



Tschüs!!

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