システム87/88 【ドイツ連邦軍】


システム95の先代であるシステム87/88です。
システム95はその名の通り(といってもマニア呼称ですが)90年代半ばに出現しましたが、システム87/88もその数字の通りに80年代末ごろからみられるようになった装備です。



ぱっと見の印象はシステム95とそう変わらないので細かい部分を見ていきましょう。



左がシステム95(98年製)、右がシステム87/88(88年製)です。胸のストラップの有無が分かります。
素材の質感としてはシステム87/88の方がややペラペラ。
ハトメの形状もここだけ微妙に異なっています。




システム95の肩のハトメの形状はポーチのドレンホールと同じなんですね。
背中やベルトのハトメ穴はシステム87/88と同じでした。



左がシステム95でハトメ穴が12個、右がシステム97/88でハトメ穴が8個あります。
穴数を増やしたことによりシステム95では雑嚢の取り付けが可能となりました。




背中にスコップポーチを取り付けた様子。ポーチ裏のボタンストラップはこのように活用します。
システム87/88の雑嚢にはこのボタンストラップがありません(当然取付できないため)。



バックルの周辺構造も異なっています。
上がシステム95、下がシステム87/88です。
システム95では防破ベストとの併用を加味してベルトが長めに作られているとか。



上がシステム95、下がシステム87/88ですがバックルベルトの縫い付け位置が異なります。
システム95では防破ベストに合わせて調整幅を大きくする狙いがあるのかもしれません。



システム97/88同士の比較。同じ88年製と思われますが、上が試験版、下が普及版ということのようです。
バックルの形状が明らかに異なります。
普及版はシステム95と同じバックルですが、余ったバックルベルトをまとめるためのループが付いています。





試験版のバックルにはドイツ連邦のシンボルである連邦鷲と「Einigkeit / Recht / Freiheit」という標語が彫り込まれています。
余ったバックルベルトをまとめるプラスチック部品も特徴。




試験版のバックルベルトの裏面にはスタンプ。


システム87/88ではOD色のポーチが特徴です。
正確にはグレー味の強いSteingrau Olivという連邦軍標準色ということになっています。
システム87/88の方は88年製、システム95の方は96年製のG3マガジンポーチです。




同じプラスチックアダプタと見せかけて、システ87/88の方はカシメが1個少ない。



システム87/88のポーチにはドレンホールは付かないようです。




システム87/88にはシステム95のような枠がなく、仕切りがあるのみ。
生地もペラペラで潰れやすい。




水筒ポーチ、左が88年製で右が87年製です。
表から見る分には同じですが……




88年製の方のアダプタはカシメと縫付けで固定された刺又型の差込口を持つタイプ。
S95で採用されたダルマ穴型アダプタの方が新しいかと思いきや同時期に存在しますので、2方式用意して同時にトライアルするといった意図があったんじゃないかと思われます。
構造的にはS95の水筒ポーチと大差ありませんが、やはり生地がペラペラです。




スコップポーチもシステム95と構造的な違いはなさそうです。





この2つの雑嚢はどちらも88年9月のVaude製です。






生地の色が微妙に異なるほか、バックルの形状が異なります。





アダプタも異なります。
年代的な切り替えがあったわけではなく、やはり2方式を用意して同時にテストしたのでしょう。





MG3のツールポーチ。予備ボルトやメンテナンス用の工具を収納します。
たまに機関銃手の肩のあたりについています。
保管のためか試験のためかはわかりませんがナンバリングが記載されています。




試しに装着するとすぐ白化してしまいました。ちなみにダルマ穴タイプも白化します。
ここはシステム95で材質変更を行い折り曲げに強くしたそうです。




ポーチをレイアウトした様子。
アダプタが折れやすいのでコレクション向けですね。


Tschüs!!

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