SBS Chest Rig 【ドイツ連邦軍】

Fernspäherによる着用例が知られている、いわゆるカヤックリグです。
その正体は90年代よりArktis製品などの販売をしていたショップ"Survival Equipment"(以下SE)のオリジナル商品です。
オリジナルとはいえどことなくArktisっぽさが否めないところもあり、もしかしたら製造はArktisに丸投げなのかもしれません。



さてカヤックリグの俗称で知られているこのチェストリグですが、その通りカヤック搭乗を想定した設計のようです。
雑納を正面に配置して脇腹を薄くすることで乗り降りに支障の無いよう設計されています。

SEの正式名称は"SBS Chest Rig"で、SBSはあの英軍の部隊のことみたいです。
SBSチェストリグと対をなす商品ということなのか、SASアサルトベストというものもありました。



ユーティリティポーチを正面に配す大胆で珍しいデザインが一番の特徴といえます。
バックルの類は基本的に古風な黒ですがマグポはスパニッシュタブです。



マグポにはスパニッシュタブ基部にエラスティックを追加する小改造が施されています。
わずかな延長ですがMP5のような長いマグも収納したかったのでしょうか。
このスパニッシュタブの取り付け形状にもいくつかバリエーションがある様子。



反対側はちょっと拙い。
この2か所のマグポはKSKベストのようなドロップダウン型となっています。



ハーネスのエラスティックは伸びきってビロビロです。当時包帯などを詰めていたのでしょう。
ここのエラスティックにも幅の太いもの、さらに黒いものなどでバリエーションがある様子。

ポーチの上には紛失防止ランヤード用(?)のD環、Schlämmkreideの痕跡が見られます。



背中のクロス部分はYKKのドイツ法人によるプラ部品。



この手の品ではなじみ深い裏地ポケット。
ファスナーは騒音対策のためかパンツァーテープが巻かれています。



右身頃にはエラスティックのホルダーが仕込まれています。



よれた裾ゴムとループが入ってました。



左身頃には隠しホルスター。P8は上手く入らなかったのでP2A1用かもしれません。


使用例は現在のところFSLKでしか見ていません。
あまりマルチに使えるデザインでもないのですが、集団的な着用例はあるのでもっといろいろ見つかっても良さそうなものです。


SEにはFernspähkompanie 300出身のアドバイザーが在籍していたということですので、
その元隊員の経験やアイデアがこのリグの設計に反映されたと考えると興味深いですね。

またSBSチェストリグは04年秋ごろまでSEショップで誰でも買うことが出来たといいます。
今回入手したものには特にタグのようなものはなかったのですが納入版はタグ付な模様。
(ということはここで紹介したものは民生版かもしれません)

余談ながら、その頃BW出身であるSEオーナーがJKディフェンス(JKD)に引き抜かれました。
その後07年頃にSEからSabreに名前が変わり正式なJKDブランドとして扱われるように。

元オーナーが現在Woolpowerのドイツ法人代表だったりでいろいろとアレなものを感じます。
その元オーナーがFSK 300出身なんじゃないかとか考えてみたり。退役時期も一致するので。



Tschüs!!

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